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赤坂で生まれた「みせしょく」のリレー。受け継がれたものとは何?

オフィス街から路地へ入った一角にある赤坂シャレ-。その地下1階でこじんまりKitchen&Barを営むのが「赤坂Cave」の岡崎真恵さんです。
実はこの場所にはかつて別のBarがあり、当時のオーナー・森田璃梛さんが「お店のこども食堂(みせしょく)」を始めた場所。居抜き店舗を引き継ぐと同時に“みせしょく”も受け継いだ岡崎さんと、この日も手伝いに顔を出した森田さんへ話を伺いました。

(左)前オーナーの森田さん/(右)現在のオーナー岡崎さん

コロナ禍でも「みせしょく」続行!赤坂Caveの思いとは?

(前オーナーの)森田さんは今日も出勤ですね!
そうなんです、「みせしょく」の日はできるだけ手伝いに来ています。私がやっていた当時から変わらずに来てくださる方も多いんです。そうした親子に会うのがいつも楽しみですし、「大きくなったな」とか成長も感じることができるのも嬉しいです。
そもそも森田さんはどんな思いで「みせしょく」を始められたんですか?
正直なところ、1つはお店の宣伝にもなるって思っていました。お店を始めるまで地域の方々との繋がりもありませんでしたから、「みせしょく」で顔を合わせる機会ができて、その後も気軽に利用してもらえればいいなって。それから私自身が以前は保育士をしていたので、親子の繋がりを見守ったり、地域の子どもたちと関わったりできたらいいなと思っていました。
そんな森田さんは、コロナ禍でも休まずに「みせしょく」を続けてくださっていましたね。
どっちかと言うと「コロナ禍だからやらなきゃ」っていう感じだったんです。だって当時は今以上に自由に外へ出られないなか、親御さんたちは変わらずに育児と向き合っていたわけですから。息抜きしたいなと思っても飲食店が開いていないことだってあったわけで、ストレスは溜まる一方ですよね。“ならば私が”と、店内が利用できない間もテイクアウトのお弁当をつくって振る舞うことにしました。そうやって利用できるものがあれば、親御さんにも肩の力も抜いてもらえるかなって思ったんです。

新しいオーナーへのバトンタッチ。みせしょくの運命は・・・?

現在、この場所は森田さんから岡崎さんへ受け継がれていますね。「みせしょく」の頻度も変わらずですか?
はい、今も月1回、第3木曜日に開催しています。私が始めたのが2022年10月なので、今日(2023年1月取材時)で4回目。だいたい13、14名の方々が利用してくださっています。
この場所に13,14名というと、結構な賑わいですね。
はい、ありがたいことにお友達同士でいらっしゃる方々もいて。予約を受け付けていたら最大で20名になったこともありました!
それはすごいです!岡崎さんは最初からこの「みせしょく」実施に迷いは無かったんですか?
そうですね、森田さんからこれまでの「みせしょく」について話をお聞きして、素直に「素晴らしい取り組みだな」と。私自身は栄養士の免許を持っていますし、食を通じた親子の時間を大切にしてほしいという思いは一緒です。なので新しく始めるお店でもやってみませんかと言われて、すぐに引き受けようと思えました。
実際にやってみてどうですか??
「みせしょく」を開催することで、利用してくださった方々からリアクションをいただけるのが嬉しいです。SNSにお子さんの写真を載せて紹介してくださった方もいましたし、「おいしい」という一言や「助かります」「ありがとうございます」といった声に励まされます!
この日のメニューは手作りのタコライスとポテトサラダでした。

感謝の声を励みに、今後もより多くの方へ届けていきたい

それにしても、こうやって居抜き店舗が引き継がれるだけでなく、想いや取り組みまで受け継がれるなんて、通常はあり得ない奇跡的な出来事ですよね!?
有難いことですよね。そもそもお店を閉めると決めた時から「みせしょく」へ来てくださっていた方のことが一番気にかかっていました。繋がりが途絶えてしまうというか、せっかくこの場所を慕ってくれていたのにって。だからこそ、次のオーナーさんが引き継いでくれる、ましてやお店の名前まで同じに…となった時は本当に嬉しかったですし、保護者の方も安心されたんじゃないかなと感じています。
それは良かったです。私も本当に「親子一緒にゆっくり食事をする時間を満喫してもらえたら」と思ってやっています。利用くださる方々の多くは親御さんが働かれていますし、手料理をつくる時間や労力を確保するのって誰もが苦労しますからね・・・。
本当にそう。これからも日々忙しく大変な思いをされている親御さんが、「みせしょく」に来て少しでも羽を伸ばしてくれたら良いなと思います。
今後に向けてはどのような思いをお持ちですか?
今の「みせしょく」は、どちらかというとリピーターでいつも来てくださる方が多いです。その方々も引き続き大事にしつつ、今後はより多くの方に知っていただき利用してもらえたらと考えています。
Instagramに開催情報を掲載しているのもそうですが、それ以外の機会も使いながらこの活動をもっと広げていけたらいいですね。