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こども食堂と地域の関わりについて、学芸大学駅にある「ゆとり会議室」の店主“安藝(アキ)さん”にお話を伺いました。

店内に世界各国の小物がレイアウトされた「Pinchos y Whisky ゆとり会議室」は、学芸大学駅より徒歩5分にあるスペインバルです。

 

子ども食堂をやってみようと思ったきっかけはなんですか?

母親が教育の現場に従事しているということもありますが、まだ関西に居たころ、こども食堂を運営していたご年配の女性がいて、将来的に是非自分も運営してみたいとずっと考えていました。

私は母子家庭で母親が多忙だったこともあり、祖父と一緒にご飯を食べることがほとんどでした。本当は子供たちだけのコミュニティーで、例えば友達と一緒にご飯を食べたりしたかったという想いがありました。
自分発信のこども食堂が、そういう場所になればとの願いもあります。大人だけではなく、子供にスコープを当てた「子供たちの憩いの場」にしたいです。

運営してみて、始める前とイメージの違いなどがあったら教えてください。

本当に困っている子供たちにリーチする難しさを感じています。確かに、従来の一般的なこども食堂のように、「誰でもおいで」というスタンスで集まりやすくして、教育や偏見に対してリスクがない状況をつくるのももちろん大事ですが、そうすると、見た目では(相対的貧困は)わからないので、埋もれてしまうのでは?という、少しもどかしい気持ちもあります。

安芸さんは近隣の方と積極的に関わっていますが、地域の方と繋がることの大切さを教えてください。

その地で商売を「させてもらっている」という、地域の方への感謝や還元する気持ちは、優先的にとても大切なものだと思っていて、ある意味当然のこととして捉えています。自分のお店が地域の一機能になっていれば嬉しいですね。

目黒区に協力してもらって、本当に困っている子に直接的にリーチするという、新しい取り組みが始まります。

そうですね。いずれそうしなければいけないと思っていましたし、いずれそうなるとも思っていました。
自分の思い描く理想に近づく気がしています。世間的に民間主導の取り組みではありますが、役所などの機関が、人と人とを繋げる協力を積極的に行っていくような、そんな良い循環が全国で生まれてくるといいですね。

安芸さんが想う、これからの子供たちの未来について教えてください。

こうなって欲しい、というのはありません。ただ、いろいろな人との出会いが、自分の成長に繋がることは確かだと思います。

私も世界一周の体験をしていろいろな人に出会って、心が豊かになる貴重な経験をさせてもらいました。ゆとり会議室をきっかけに出会いを重ねて、心に経験を蓄えて欲しいです。

ありがとうございました。従来の多機能なこども食堂の考え方も大事にしつつ、いろいろな地域で連携をさらに深めていきたいと思います。これからも宜しくお願いします。